補助対象事業に公益性があることを前提 に必要な補助対象経費を定めたから,これを基礎として補助金額を算出・ 支出すること自体に公益性要件の充足性を観念する余地はない。
補助対象 経費に派遣職員の給与相当額が含まれるにしても,派遣職員に補助対象事 業を担当させるかは派遣先の内部問題にすぎず,派遣職員が同事業に従事 する以上は固有職員の人件費と区分すべき理由はなく,補助対象経費に派 遣職員人件費が含まれていることをもって,交付決定等を違法とし得ない。
補助金支出にあたっては,事業担当局の予算要求,行財政局の事務事業 の必要性の審査,具体的な実施方法や内容(公益上の必要性,経費単価の 妥当性や人員配置の合理性等)の査定,市長による予算案の提出,議会の 議決,予算成立後の補助金交付要綱の制定,要綱に定める手続に沿った補 助金交付決定等(事業担当局における補助金交付申請書における見積内訳 の審査,事業実績報告書の徴求等),行政評価条例に基づく評価等の手続 を経ており,委託料も同様であって,公益上の判断をせずに本件支出をな したものではない(乙30〜34)。
イ派遣法は,最高裁平成10年4月24日判決を考慮して,地方公共団体 職員が公務以外の事務に従事できる要件を明らかにしたことに主眼があり (乙29・42頁),当該事務を派遣先の事務と整理した上で給与付き派 遣ができないと規定しておらず(同45頁中段),同法6条2項はかかる 場合に派遣元に給与支給を義務づけたものではなく,支給できる場合を例 外的に定めたにすぎない。
しかも,職員派遣は複数年にわたることが通例であるから(同法3条), 派遣元が派遣職員に給与を支給することとして派遣期間を通じて同法6条 2項の要件を満たそうとする場合は,当該派遣が継続する限り,当該派遣 職員が従事する業務の委託又はそれに対する補助金の支出を継続すべき義 務を負うことになるし,また,職員派遣の際に,派遣職員が従事すべき業 務が特定されていない場合には,当該派遣が給与を支給できる場合に該当 するかを判断することができない。
また,事務の委託に際しては,最小の 経費で最大の効果をあげることを考慮しなければならず(地自法2条14 項),補助に際しては,補助対象の公益性を判断しなければならない(同 法232条の2)から,そこで考慮されるのは,相手方における事業の効 率性,経済性又は公益性であり,派遣先であること自体によって,当然に 委託先になったり,補助金の交付先になったりするものではないから,委 託事業や補助対象事業に派遣職員が従事する場合であっても,当該派遣職 員の給与相当額を当該事業に要する経費の一部として考慮すべきであり, そうでないと,他の事業者と比較できず,派遣先を不当に有利に取り扱う ことになりかねないし,逆に,派遣元が給与を支給しない派遣職員の人件 費相当額を補助できないことを理由として,派遣先を事務委託や補助対象 から排除するのは不当な差別的取扱となるし,派遣職員を委託事業や補助 事業に従事させられないとすれば,派遣法2条1項が,派遣職員が従事す る業務ではなく,公益法人の性質に着目して派遣先となるべき資格を定め た趣旨に反することになる。
したがって,派遣元は,派遣法6条2項の要件を充足するか否かにかか わらず,派遣職員に給与を支払わないこととして,その給与相当額を委託 料又は補助対象経費に含めることもできるというべきである。
職員を派遣 するか否かと派遣先に事業委託又は補助金支出するか否かとの間には論理 的な関係はなく,補助金支出に係る公益性の審査において,派遣先が当該 事業に従事させることとした派遣職員の給与相当額を含めることが妥当か を判断しているから,かかる態様は違法でない。
(2) 争点2(Aの故意又は過失の有無)
労働法上の賃金支払に係るノーワークノーペイの原則を理由に,賃金とは 性質も支出者も異なる補助金支出についてAに過失があったとすることはで きない。
適法とする通説判例がないことは,本件支出が違法でAに過失があること を直ちに意味しない。
延滞債務者
両行は、ともにいわゆるバブル崩壊以降、不動産価格の下落や不況の長期化に伴って業績が悪化し、特に関連ノンバンクの支援のために経営体力を消耗していたところ、平成9年12月に預金保険法が改正され、複数の経営不振銀行を合併によって健全化するため、それらから預金保険機構が不良債権を買い取った上で合併させるとの特定合併の制度が設けられたことから、大蔵省等のあっせんに基づき、平成10年10月までにこの制度に基づいて合併することとなった(甲1〔5ないし8)、14の1〔16〕)。
そのため、平成10年3月期は、両行の合併前の最後の決算となったが、それ以前からA銀行においては、不良債権の解消と収益確保を図って、他の金融機関でも行われていた流動化スキームを積極的に行っていた。
この流動化スキームとは、延滞債務者の連帯保証人や関連会社に収益率の高い賃貸用不動産を新たに取得させ、当該不動産を担保として新たに融資を行い、その資金で旧債務を返済させたのち、新債務については賃貸料収入によって長期の分割返済をさせるというものである。
派遣法の国会審議における立法担当者の答弁(乙2 7),学説(乙28),裁判例(大阪高裁平成15年2月18日判決等)か らして,本件支出はそもそも違法ではなく,仮に違法としても過失はない。
本件支出につき,法令に従い,事業担当局の予算要求,行財政局の事務事 業の必要性の審査,具体的な実施方法や内容(公益上の必要性,経費単価の 妥当性や人員配置の合理性等)の査定,市長による予算案の提出,議会の議 決,予算成立後の補助金交付要綱の制定,要綱に定める手続に沿った補助金 交付決定等(事業担当局における補助金交付申請書における見積内訳の審査, 事業実績報告書の徴求等),行政評価条例に基づく評価等の手続を経ており, 公益性の審査を放棄したものではない。
(3) 1審却下原告らの訴訟費用
1審却下原告らは本件控訴の対象でなく,同原告らは控訴を提起していな いし,阿部弁護士には同原告らの訴訟代理権がないから,被控訴人らの附帯 控訴のうち,同原告らの訴訟費用の負担に関する原裁判の取消・変更を求め る部分は不適法である。
訴訟費用の負担を命ぜられた阿部弁護士は,これに不服があれば即時抗告 を提起できたが(民訴法69条3項),当該裁判の言渡しを受けた日から1 週間の不変期間内にこれをしなかったから,もはや不服を申し立てられない。
(2) 不作為義務違反に基づく引取義務
後述するように,被告が本件契約上負っていた安全確保義務は,廃掃法の 基準(総理府令基準)に適合した焼却灰を搬入するものであるところ,本件 焼却灰のうち,平成14年11月7日に採取された試料からは,総理府令基 準の0.3mg/lを上回る0.86mg/lの溶出量が検出されており, 被告が有害物質を搬入してはならないという不作為義務に違反したことは認 められる。
もっとも,他の試料において総理府令基準を上回る溶出量が検出されたこ とはなく,焼却灰はほぼ毎日Aプラントに搬入されていたのであるから,そ のうちの1日分の焼却灰から基準値を上回る溶出量が検出されたとしても, 本件コンポスト全体の重金属溶出量を高めたものとは認められないし,生成 されたコンポストのどの部分が当該焼却灰の生成物か特定することは不可能 であるから,本件コンポスト全体についても部分的にも引取義務を認めるこ とは困難であり,原告の主張は認められない。
(3) 廃掃法に基づく引取義務
原告の主張は独自の解釈に基づくものであり,採用の限りではない。
(4) 被告の主張について
ア以上の認定・判断に照らすと,原告の埋立処分により,引取義務の履行 が取引通念上不可能となった事実,引取義務を求めることが信義則に反す る事実はいずれも証拠上認め難く,上記事実にかかる被告の抗弁は採用で きない。
イ上記1のとおり,被告は,平成15年4月14日及び同月30日に,コ ンポストの引取義務を承認していると認められるから,被告の消滅時効の 抗弁は採用できない。
( ) 以上のとおりであり,被告5 には,本件契約に基づいて,別紙土地目録記 載の土地にある別紙物件目録1記載の本件コンポストを引き取る義務がある と認められる。
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